取材・インタビューのスキル

投稿者: | 2017年2月27日

取材やインタビューは「戦」と似ています。その取材をする前にどれだけ事前に調べたのか、どれだけ事前に理解できたのか、そして事前にどこまで最終的な完成形である記事や記事構成をイメージできているかがキモです。

取材やインタビューそれ自体は割と行けばなんとかなるものなのですが、問題はそれらが終わって「あーすごかった、帰ろう帰ろう」で済まない点。自分の中にインプットされたそれらの経験、目で見たもの、耳で聞いたこと、撮影したものなどなどを編集してまとめて読者が読んで理解できる記事として完成させるのが一番のクライマックス。

ということは、そのような最終完成形を事前にあらかじめある程度想定しておけば、「今この瞬間の写真が必要!」とか「この質問をしておかねば!」というのがわかります。

もちろんそれだけだと予定調和的なもの、結論ありきの取材やインタビューになるので、「目の前で今リアルタイムに起きているからこそ分かったこと」や「現場にいるからこそ分かったこと」「事前に想定していなかったこと」などもどんどん取り入れて軌道修正をかけていくのが肝心要のポイントになっていきます。

これらはいわば「カン」とか「切り口」とか「知的好奇心」とか「知的興味」とかいろいろな言われ方をするもので、一昔前の新聞記者であれば「一人前になるのに10年かかる」と言われていたものです。ところがぶっちゃけ個々人の資質によりけりですが、GIGAZINEでは一人前になるのに10年もかかりません。なぜなら、GIGAZINEは常に最前線で戦っているからです。取材もインタビューも、最前線に立った修羅場の数が多ければ多いほど、自分自身のスキルが上がるのは当然。事前に考えるのはもちろん、実際に出向いたからこそ分かった点を記事と自分自身にフィードバックさせてみんなで共有、さらにそうやって得たものを使って改良・改善していくことで、「事前に想定する」ことの精度が上昇していき、シミュレーション能力や想像力がアップすることによって現場では余裕が生まれ、リアルタイムの現場では状況に応じて臨機応変かつ客観的に先回りして動くことが可能になり、だからこそ余所とはひと味違う切り口や視点のユニークなGIGAZINEらしい記事が生まれ、そのような記事を生み出した経験がさらに自分自身のスキルアップにつながる……という好循環に入っていくわけです。