広告掲載で特に重視されるのが「GIGAZINEのポリシーと合っているかどうか」という部分。極論すれば、無修正のポルノムービーを定期購読する会員制サイトの広告掲載はOKなのか?というような部分です。
もし収益のことだけを考えるのであれば、あやしい健康食品・自己啓発セミナー・必ず儲かる方法教えます・マルチ的手法・エロの広告を載せまくればいいわけですが、それだとGIGAZINEの読者とも合わないですし、GIGAZINEの記事とも合わないわけです。
なので、「どのような広告を載せるのか?」というのはある意味、GIGAZINE自体のブランドイメージをも指し示すことになるわけです。例えばアドネットワーク以外の純広告について、過去の広告提供元としてはトヨタ・ホンダ・日産・ゼネラルモーターズ・東京ガス・NHK・WOWOW・スカパー・P&G・ユニリーバ・シック・セガ・カプコン・スクウェアエニックス・エンターブレイン・IIJ・DTI・エキサイト・ニフティ・沢の鶴・サントリー・UCC・キリンビバレッジ・ぺんてる・競艇振興会・シェル石油・コカコーラ・常盤薬品工業・東京スター銀行・学研・3M・リクルートといったように非常に多岐にわたっており、このようにして多種多様な広告提供元を集めてくるということは必然的に、それらの広告主からの圧力を低下させることにもつながります。
例えばゲーム専門メディアの場合、基本的なスタンスは報道ではなく「情報誌」なので、著作権元である各種ゲームメーカーから素材をもらって許諾を受けて記事を掲載することになっており、掲載前の記事チェックも、いつ掲載するかも、基本的に情報提供元であり広告主でもあるゲームメーカーがコントロール可能、つまりメディアが事実上の広報宣伝が主目的になっているケースが多く、記事の取材対象と広告主とが同じであるため、取材や記事の独立性を担保するのは非常に難しい状態です。
対してGIGAZINEの広告の場合、見て分かるように記事のジャンル・カテゴリが非常に多岐にわたり、なおかつ広告の種類も幅広いため、特定のメーカーや特定の業界がGIGAZINEの記事が気に入らないということで「GIGAZINEを干してやるぜ!」と考えて一致団結して排除したとしても、まったく微動だにしない体制がGIGAZINEでは既に築かれているわけです。
すなわち、GIGAZINEを日々運営するために必要な収益についてきっちりと確保しつつ、同時にどのような記事が掲載されたとしても、スポンサーからの圧力が及ばないように編集部などを守り、同時に読者の立場に立ってどのような広告であればいいのかを常に試行錯誤するという、攻防一体の役目があるわけです。